文化・芸術

2009年11月15日 (日)

アイイレナイステップ

72私だって足並みを揃えたいって想ったの。
でもね、それはとっても難しいことで、
同じ世界に居るには、助けが必要だったの。
なぜそこまでして一緒に居たのかって?
そんなのわからないわ。
そういうものじゃなくって?

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2009年11月 1日 (日)

番人

72辿り着いたその場所は、これと言って特徴のない場所でした。彼は禍々しい道のりを、何日も何日も歩き続けたのです。。

きっと、きっとそこにあるはずだと。
あきらめずに、歩き続けてさえいれば、
なんとかなるんだと、そう信じて。

番人がいいました。
「そんなに中を覗いてみたいのかしら?」
彼は少しとまどいながら、コクリと肯きます。
意地悪な番人は彼を止めることなく、
その内部へと案内してしまったそうです。
そして彼は見てしまったのです。
知りたくはなかった本当のことを。

「また一人、また独り、アハッ」
番人はほくそえんで、また待つことに精を出すのでした。

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2009年6月 4日 (木)

個展のお知らせ

Yoshidatetsuya 2009年6/12(金)~16(火)
13:00-20:00
http://www.aband.jp/

よろしくお願いします。

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2009年3月30日 (月)

ホイップ

72異形な快楽の下で、
曖昧な存在は、その本性を現した。
かき回された生暖かい思い出は、
内なる共存を拒否しはじめ、
苦しみを産むばかり。
脳内ミルク、ミルク、ミルク。
傷口に塩を刷り込むように。
脳内ミルク、ミルク、ミルク。
刺激されるたびに、紅が広がる。
産道をくぐる、耐えられない生命に、
不条理な死を。

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2009年3月22日 (日)

MC

Mc72わらわらと群れる欠けた心の宿主たちさ。
今宵の宴が開かれるその場所は、
渦巻くようなピンクと緑のリバーシブル。
MCから放たれる怒号にも似た開会の合図に、
一方通行の感情が木霊となって還ってゆく。
そうさ、そうなのさ、やっと気づいたのかい?
誰も重なることなどないんだよ。
そう信じたいだけなのサ。
パーティにようこそ!
いつまでも虚無だけをまとい、
ぐるぐると繰り返し、歌い踊るのだ。

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2009年1月16日 (金)

黙秘権の行使

72自ら先を閉じてしまった未来の途中で、
少女は怖気ついてしまったのだ。
監視する物はそれを許すわけにはいかず、
黙秘権を強制的に発動させ、強引にキスを奪ってしまった。
少女は暗闇の中で気づいたぬめりとした感覚は、
決して触れさせてはいけないものだったのだ。
嗚呼、知らずにいればよかったものを!

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2009年1月 5日 (月)

いつだって遅延

72雨あがりの午後、少しばかり寂しくなった少女は、
彼女の遠き夢の日の、お遊戯に付き合ってみることにしました。
ぐるぐるまわる傘はものすごい速さで、
ぐるぐるまわる球に抗う術はありませんでした。
魚さんは少女の思惑にはとことんまで、
振り向いてはくれなかったのです。
少女の球はいつまでも傘の上でまわり続け、
いつまでも傘を追い抜くことはなかったそうです。

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2008年12月29日 (月)

リセット

72_3取り返しのつかない過ちを、リセットしてあげようなんて、
調子のいいことを言って、まんまと部屋に連れ込んだ彼は、
それでも真剣に考えてたのさ、彼女のことを救おうと。
だけど、救えやしないのさ。
いくら首をすげかえても、記憶は消えやしない。
そうなのさ、そうなんだ

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2008年5月26日 (月)

大切な贈り物

72 楽しく華やかなサーカスだけど、危険なこともたくさん。
毎日毎日開催されるのショウの中では、ときどき
悲しいこと出来事も、起こってしまうのです。
そんな黒いカタマリが、ずっとずっと頭にこびりついてしまったなら、
彼を訪ねるといいでしょう。
みんなから「先生」と呼ばれている大きな象さんは、
そのやわらかな鼻の先で、やさしく頭の中を、お掃除してくれます。
いやなこと、かなしいこと、わすれたいこと、
ぜんぶ、きれいに、おそうじ、おそうじ。
でも「先生」はナイショで少しだけカケラを残しているのです。
いやなことも、かなしいことも、わすれたいことも、
それはみんなが感じた大切な大切な心の一部だから。
しんどいかもしれないけど、大事にしてほしいと思っているのです。

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2008年5月20日 (火)

気づかなかった、気づけなかった。

72_2 大したことも出来ずに上からみているあの子。
仲間を馬鹿にすることしかできないあの子、
嘘ばかりついてるあの子。
でも、知ってるかい?あの子の心はすっからかんで、
憎しみも嘘も嫉妬も羨望も、もうそこにはないんだってことを。
そう、そこには猫の形をした入れ物があるだけなんだ。
あの子はずっとずっと待っていたんだよ、ずっとずっと、ね。。。

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2008年5月18日 (日)

最後の料理

72  皆、喜んでくれると思ってました。
 何しろ獲れたばかりの最高に新鮮な食材だったのですから。
 パセリ、セージ、ローズマリーにレモングラス。
 隠し味に東洋のスパイスを一つまみ。 
 厨房は肉の焼けた香ばしい匂いに包まれました。
 それは、私の料理人としての最高傑作だったのです。
 何がいけなかったのでしょう。
 そんなにいけないことだったのでしょうか。
 元来、食とは残酷なものなのに。

 あの日、その瞬間、あの出来事、
 そう、私が料理人を辞めた日のこと。

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2008年5月12日 (月)

耳とスピーカー

72  伝えたいスピーカーと、受け取りたいアンテナが、
 少しくらいずれたとしても・・・・・・・

 例えば、サーカス一のおしゃべり鳥さんが、
 おかしな噂を話したとしても、
 「おかしな」というのをくっつけてしまったのは、
 それを聞いた聴き耳ねずみさんかも知れないってことサ。
 だから、言の葉一枚一枚を、
 大事に大事にしすることは、とても大切なことなんだヨ。

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2008年5月 6日 (火)

星を継ぐもの

72_2  経験を積んだ団員たちは、
 若者たちに何かを伝えようと一生懸命です。
 それは誇りでもありますが、 同時に憂いでもあるのです。
 若者の気持ちがわからないベテラン団員たちは
 時々思うのです。
 「嗚呼昔のほうがよかったな」って。
 ベテラン団員の気持ちのわからない若者たちは
 時々思うのです。
 「なんで昔風のやり方をやらなきゃいけないの?」

 でも今は未来の昔。
 今が輝く時代もやってくるに違いないのです。
 今わかりあえなくても一緒に笑いあえる日がやってくるのです。
 きっと、必ず。

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2008年5月 5日 (月)

天気詠み

72 「本当は毎日毎日お天気にしなきゃいけないのだけど」
  お天気係のパオリーはお天気雲をもくもく作りながら
  次の雨の日をいつにしようか考えています。
  サーカス団にとって雨の日は、お客さんが少ないから
  団長さんは「毎日毎日晴れにしなさい」とパオリーにいうのです。
  でもパオリーの想いは違いました。
  晴れの日ばかりだとお花さんがかわいそう。
  晴れの日ばかりだとカエルさんも元気がないんだ。
  晴れの日ばかりだと作物が育たないよ。
  そして、晴れの日ばかりだと疲れちゃうんだよ。。
  時々雨がふって、ちょっとだけ落ち込んだりしてまた元気になって。
だから団長さんも雨のにおいが好きになれたらいいなってパオリーは思っているのです。

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2008年5月 2日 (金)

流れ星

72_2   ショウも終わってお休み前のひととき。

 風を感じて
 夜を感じて
 闇に吸い込まれて

 星のみえない哀しい夜空に
 一瞬キラリ☆
 みつけたのはだ~れだ。

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2008年4月30日 (水)

犬の生活

72  団長さま
 私はあなたの犬でございます。
 私はあなたの忠実なる僕でございます。
 あなたの喜びは私のヨロコビでございます。
 あなたの悲しみは私のカナシミでこざいます。
 私の眼はあなたを映すためにあるのでございます。
 私の口はあなたを喜ばせるためにあるのでございます。
 私の身体はあなたの玩具なのでございます。

 囚われの肉体、だがしかし、その心は透き通る氷の冷たさで、
 自身を見つめ、そして、嘲笑している。

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2008年4月29日 (火)

歯車

72_3  誰にでも役割というものがあって、
 それは地味であったり、派手であったりするけれど、
 誰もがその役割を楽しんで演じることが出来たなら、
 サーカスの時間は素敵なものになるに違いありません。
 時には自分を押し殺すときも必要だけれど、
 そう、歯車にだって自分は宿るのですから。

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2008年4月28日 (月)

おしろい

72_3  ある日サーカス団に新しい命が誕生しました。
 その子馬は珍しい外見から、天使だ悪魔だと皆から騒がれました。
 まわりと違うその姿は、小さなその命に喜びをもたらすのか、
 悲しみをもたらすのか・・・
 それはサーカスの誰にもわからないことなのです。
 ただただその姿を受け入れ
 強くたくましく生きることを願うしかないのです。

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2008年4月27日 (日)

マジカルミステリーなツアー

72 すべてのショウが終わったなら、旗の下においで。
いいところに連れていってあげるから。
玉乗りよりスピーディさぁ 
綱渡りよりスリリングさぁ
ピエロよりも愉快さぁ
そんな場所へ一緒にゆこうじゃないか。
諸君には少しばかり早いお迎えだが、これも運命ってヤツなのさ。キラキラ光る旗の下に集い、有終の美を飾って、我々はゆくのさ。
踏みしめる地面はそこにあるかい?

 

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